GIMLEチームの三﨑です。
2023年の11月27日から12月2日にわたって開催されたAWS re:Invent 2023に、初参加・初現地参加しました。
Re:Inventでのアップデートで、Amazon Route 53 Application Recovery Controllerの新機能「zonal autoshift」が発表されました。
本記事では、zonal autoshiftの機能の紹介と、Availability Zoneの障害対策として以前から使用されているzonal shiftとの使い分けについて紹介します。
zonal autoshiftとは
Availability Zoneに影響がある障害を検出した場合に、そのAvailability Zoneからアプリケーションのトラフィックを安全なAvailability Zoneに「自動」で移動し、障害解消後はトラフィックを「自動」で元に戻してくれる機能です。
zonal autoshiftのリリースにより、Availability Zoneでの潜在的な障害からワークロードを保護できるようになりました。
また、トラフィックの移動時にAPIを呼び出す必要はないため、利用者のAvailability Zone障害対応に対する負担は軽減されると考えています。
zonal shiftとは
zonal shiftもzonal autoshiftと機能的にはほぼ同じで、Availability Zone単位で障害が発生した場合にトラフィックを安全なAvailability Zoneに移動する機能です。
zonal autoshiftとの大きな違いは、zonal shiftはトラフィックの移動を「手動」で行うことです。そのため、Availability Zone障害にzonal shiftを使用する場合は、マネジメントコンソールもしくはCLIからzonal shiftを開始する必要があります。
そのため、zonal shiftを自動でおこなう機能 = zonal autoshiftとイメージすればいいかと思います。
zonal autoshiftとzonal shiftの使い分け
利用者側で発生するアプリケーション障害やシステム障害からのワークロード保護には、zonal shiftが適しています。 一方で、電源やネットワークの中断などの、Availability Zoneでの潜在的な障害に対してはzonal autoshiftが適しています。
zonal autoshiftを使用するための前提条件
zonal autoshiftとzonal shift共通の前提条件
- ALBもしくはNLBを使用してください。
- ALBもしくはNLBのクロスゾーン ロード バランシングをオフにしてください
zonal autoshiftのみの前提条件
- ALBもしくはNLBのzonal autoshiftを明示的に有効にしてください。
まとめ
re:Invent 2023で発表された新機能について紹介しました。
zonal autoshiftを使用する際にはクロスゾーン ロード バランシングをオフにする制約がありますが、Availability Zone障害に対して自動で対応してくれる点は大きなメリットだと思います。
zonal autoshift自体は無料で使用できるため、障害対策の1つとして採用する可能性はあるかと思います。