re:Invent 2018 Keynote に参加してきました!

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インフラを担当している木村です。

AWS を使う人たちがワクワクしながら待ち望んだ新サービスと新機能の発表会、 Keynote に参加してきました!

新機能・新サービスダイジェスト

抜けているものもあるかと思いますが、ざっくりと新たに追加されたサービスと機能をリストアップしてみました。

ファイルシステム関連

  • Glacier Deep Archive リリース
    • 新たに追加された S3 のストレージクラスで、7年〜10年以上データを保管する人向け
    • 磁気テープはさようなら!
    • 1ヶ月/1TB/1$ という低価格を実現
  • Amazon FSx for Windows File Server リリース
    • Windowsを使用している顧客がネイティブなファイルシステムを必要としていたため追加
  • Amazon FSx for Lustre リリース
    • HPC や機械学習向けのファイルシステムがほしいという声が上がったため、広く使用されている Lustre を使用しつつ、さらに簡単に操作できるようにして追加

セキュリティ関連

  • AWS Control Tower
    • マルチアカウント環境でのアカウント管理などのベストプラクティスのブループリントを提供
  • AWS Security Hub
    • 一元的にセキュリティ周りを管理できる
    • 3rd party のセキュリティサービスを含めて統合管理できる
  • AWS Lake Formation
    • Datalake をセキュアに構築

データベース関連

  • DynamoDB Read/write Capacity On Demand
    • AWS 側がスケールアウト、スケールインを自動でやってくれる
    • Read/Write のキャパシティーを考える必要がなくなった
  • Amazon Timestream
    • 時系列データベース
  • Amazon Quantum Ledger Database
    • ブロックチェーン向けデータベース
    • Amazon Managed Blockchain も同時にリリースし、組み合わせて使用する

機械学習関連

  • Amazon Elastic Inference
    • 推論関数を実行しているときに、GPUのリソースを65%ぐらいしか使えていなかったので改善
    • インスタンス作成時に Elastic Inference をプロビジョニング
    • コストを大きく低減できる
  • AWS Inferentia
    • 機械学習向けに専用設計したチップを開発
    • Elastic Inference は EC2 で実施したときに比べてコストを 1/10 まで削減できる
  • Amazon SageMaker Grond Truth
  • AWS Marketplace for Machine learning
  • AWS SageMaker RL
    • 強化学習モデルを提供
  • AWS Textract
    • 手書きや印刷された紙の画像から文字を認識し、文字列として取得することが可能に
    • 単なる OCR ではなく、例えばテーブルに格納されたフォームの取得などが可能
  • Amazon Forecast
    • 時系列データの予測サービス

新しいデバイス

  • AWS DeepRacer
    • 靴のサイズほどの自動車型のデバイス
  • AWS DeepRacer League
    • デバイスの開発を社員に任せていたところ、仕事をしろと注意したくなるほど社員が競っていたため、リーグを作ることに
    • 今年の re:Invent で第 1 回開催、来年の re:Invent でも開催予定

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去年の Keynote で SageMaker がリリースされましたが、この 1 年間で 1 万社ほど SageMaker を使用している企業が増えたそうです。クラウドを用いた機械学習の波が来ていることが伺えます。

さらにそこから今年は Datalake サービスが改善されたことで、様々な形式の大規模なデータを保存できるようになりました。今まで以上に多方向からの分析が可能になることが期待できます。

個人的に注目したいのが、 Amazon Timestream です。先日のブログでも少しお話しましたが、私が携わっていた流体解析で、得られる結果は時系列データなのです。それこそ、時系列データをこのデータベースを用いて管理し、分析できるようにすれば… と考えると、とても面白そうだなぁと思ってしまいます。

また、DeepRacer も面白そうですね。一番おもしろいのは、社員が遊びで競い始めたからリーグを作ったというノリですね。日本の企業ではあまりないでしょう。

実は Keynote の後にこのデバイスを用いたワークショップが開かれており、柴田が参加していました。とても楽しかったと聞いたので、きっと柴田がなにか記事を作成するはずです。

ロス・ブラウンが登場し大興奮!

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F1 ファンなら誰もが知っているロス・ブラウンがステージに登場しました!

2009 年、ロス・ブラウンがブラウン GP を設立し、F1 に参戦していました。当時まだ地上波で F1 の放送をやっていたため、テレビ越しにブラウン GP を応援していました。白いマシンに乗ったジェンソン・バトンとルーベンス・バリチェロが苦戦しながらも戦う姿は、今でも忘れられません。

私はバリチェロのファンでした。彼は「雨のバリチェロ」と呼ばれることもあり、雨の日になると普段首位を独占しているアロンソやハミルトンをぶっちぎっていくんです!とてもカッコよかったですよね!

そんな F1 の世界でも、最近は HPC と機械学習を用いた戦略構築が行われているようです。

HPC を使ってよりよいマシンをつくる

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マシンから得られた大量のデータは、SageMaker による機械学習が行われます。ここで溜め込まれた知識は、レース中のマシンの状態の判断や、ドライバーごとのコーナリングスピードの差がどのようにして生まれたかなど原因分析に使用されます。

またレース中、どのタイミングでオーバーテイクするか、どのタイミングでピットストップするかなどの戦略を立てる際、AI の判断を盛り込んでいます。コンマ 1 秒を争うってほんとにすごいですよね!

さらに、流体解析を用いてマシンの空力性能の向上を図るのですが、時間のかかる計算をより早く行うためにもクラウドが活躍しています。

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機械学習でファンとのエンゲージメントを

テレビ越しでもできるだけリアルに状態を伝えるために、今後機械学習が用いられるようになるそうです。例えば、現在のタイヤ温度を表示しながら、問題なのかどうかをファンに見せれるようにしたり、オーバーテイクをどこで行うか予想をしたり、今のピットストップのタイミングが適切だったかどうか判断するなど、様々な情報を伝えられるようになることで、臨場感のあるレース中継を楽しめるようになるようです。

最近地上波放送では F1 の放送をやっていませんが、ネット配信などで見ることができます。機会があれば、上記の内容を思い浮かべながら是非見てみてください!

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さいごに

Global Partner Summit Keynote とは違い、新発表が多く、さらに最近の技術のトレンドがよく分かる内容でした。車が大好きな私としてはロス・ブラウンのお話が聞けたのがとてもよかったです!

明日も Keynote がありますが、どんな発表があるのでしょうか。とても楽しみですね!