会社のブログに駄文を公開する技術あるいは自分を説得する技術

これは フェンリル デザインとテクノロジー Advent Calendar 2023 24日目の記事です。

インフラ担当の柴田です。Advent Calendarを書くと決めたのに延々とネタが決まりません。そこで、このような駄文を会社のブログに書くに至った思考の話をします。

なぜネタが決まらないのか

そもそも、なぜネタが決まらないのでしょうか。11月の時点でAWSについて書こうと考えていましたが、1か月以上経つのに何も決まらない理由を考えてみました。

11月の時点でネタがないっと言っていました

「ネタがない」はよく聞く話

話すネタがないというのは同僚からもよく聞きます。しかし、私からするとそうは思いません。同僚は発表するネタを多数持っているように見えます。 同僚がボツにした内容とその理由を聞くと、「面白くないから」「よくある話だから」と後ろ向きな返答をされます。 しかし、私からすると同僚独自の視点があり面白い内容のため、同僚にとっては当然のこと、話す価値がないと思い込んでいるだけだと感じます。

同僚が自身のネタのよさが分からないように、私も自分のネタの良さを分かっていない可能性が高いのではと思います。しかし、そうはいっても「こんなネタじゃだめだ!」という気持ちが捨てきれません。

結局よく見られたい

「ネタがない」をもう少し掘り下げていくと、私は自分が書くブログの記事に多くの制約を付けていることに気付きました。「デザインとテクノジーに関連した内容」、「AWSに関連したLevel 200以上の内容」、「他人と内容が被らない」、「AWS Ambassoderっぽい」、「テックリードっぽい」こういった条件がANDでつながっていくので、どんどんハードルが上がっていきます。後半はもはや内容と直接関係ない制約です。

いろいろ考えると、結局「他の人によく見られたい」とか「レベルの低い内容だと思われると恥ずかしい」とか「能力が低いと思われるのが怖い」といった感情につながるのかなと思います。

会社のブログに駄文を公開するための技術

駄文を公開するための技術、それは「こんな内容を公開しても大丈夫」と自分を説得する技術です。今回はさまざまな「怖い」に対して「大丈夫」をぶつけることで、自分を説得してみます。

「怖い」に大丈夫をぶつけてみる

自分との戦いを有利に進めるために、なるべく疲れていないときに考えます。 ボックス呼吸*1でリラックスするのも良いですね。緊張した状態では、恐怖に勝つのはなかなか難しいです。

本日の対戦相手は以下のような怖いことです。

  • レベルが低いと思われるのが怖い
  • 内容が悪いとかで会社に怒られるのが怖い
  • 面白くない記事を書いていると思われるのが怖い

レベルが低いと思われる?

私は社歴が長く、それなりに偉そうにしているので、いざ書いた記事がレベルが低いなと思われるのは怖いです。公開して本当に大丈夫でしょうか?

大丈夫その1:同僚とはブログ記事以外にもやりとりがあるので、レベルが低いと思われたとしてもそれは必ずしもこのブログ記事が原因ではないはず。私のレベルが低いと思っている人は、ブログ記事を読む前から思っているはずなので記事によって評価はたいして変わらないから大丈夫。

大丈夫その2:この記事で記事執筆のハードルが下がり、みんながブログを書いてくれるかもしれない。そうなれば、あえてレベルを落としたんですって言い訳できるし大丈夫。

大丈夫その3:おそらく、みんなそんなにブログを見てないから大丈夫。

大丈夫その4:そもそも私はレベルが高いと自負するキャラじゃない。レベルが低いと思われても大丈夫。

考えてみると、レベルが低いと思われても大丈夫でした。

内容が悪く会社に怒られる?

なんだかすでに前向きな気になってますが、書いた記事について会社に怒られたら嫌ですよね。でも大丈夫。

大丈夫その1:近所のおいしいランチのお店の紹介でも良いから記事を増やしたいと言っている人がいたから大丈夫。

大丈夫その2:公開前にレビューが入るし、怒られそうな内容であれば教えてくれるはずだから大丈夫。

大丈夫その3:そもそもブログ記事を公開して怒られた人を見たことがないし、怒られたら公開をやめて謝ればよいので大丈夫。

そもそもコンプライアンスを守っていれば、ブログを書いて怒られることはないですよね。

面白くない記事を書いていると思われる?

すでに倒しているレベルが低いと思われるの亜種なので戦う前から勝っていますね。

大丈夫その1:同僚に「駄文を公開するための技術」ってどうだろうと相談したら、「面白そう」と反応が良かったから大丈夫。

大丈夫その2:普段から良い記事を書いていないから大丈夫。

大丈夫その3:そもそも面白い必要がないから大丈夫。

もうすでに大丈夫な気持ちでいるので理由も適当です。

自分を説得するいくつかの技術

疲れていない時を選ぶ

人の脳はネガティブなバイアスが掛かりやすいと言われています。疲れていると脳も楽な方に思考が行きやすいので、さらにネガティブな考えをしやすくなると思います。まずは、脳が冷静に考えられる状況を作りましょう。

認識する

自分がなぜ記事執筆にこんなにも苦労しているのか、なぜいろいろなことを不安に思うのか、認識できると対処できます。 冷静に考えると、今までの人生で不安に思うことの大半は、杞憂に終わってきたはずです。

人を頼る

自分で自分を説得できないなら、他人を頼ってみましょう。うまくまとまらない考えも相談するとまとまったり、自分ではよく思っていないことも他人から「良い」と聞くと、よく思えたりします。

終わりに

ネタが思いつかなくても締め切りはやってくるので、中身がないけどそれっぽいことをブログに公開する技術のご紹介でした。書き始めてすぐに、技術(テクニック)ではあるけどテクノロジーではないなと気付き、辞めようかと思ったのですが、上記のような技術の助けを借りて執筆しました。 この記事を皆さんが読まれているということは、私が「こんな記事はいまいちだ」という恐怖に負けず、公開できたということでうれしいです。

*1:ボックス呼吸(Box Breathing):4秒かけて息を吸い、4秒間呼吸を止め、4秒かけて息を吐き、4秒間呼吸を止めるを繰り返す呼吸法