本記事は「Japan AWS Ambassadors Advent Calendar 2024」の18日目の記事です。
インフラ担当の柴田です。今年もAWS AmbassadorのAdvent Calendarに参加できて嬉しいです。 昨年は「テクノロジーだけじゃないre:Invent 2023 - Amazonのイノベーション文化」と題して、イノベーションとEmotional Intelligence (EQ)の記事を書かせていただきました。
今回も、re:InventとEQに関連した内容を紹介したいと思います。
re:Invent 2024でEQ関連のセッション
Emotionally intelligentやEQがタイトルに含まれているセッションは次の3つがあります。
- Emotionally intelligent leadership for an AI-powered future (INO101)
- Emotionally intelligent security leadership to drive business impact (SEC218)
- EQ, Amazon leadership principles, and building self-confidence (IDE106)
さらに、イノベーション系のトークの中でEQというキーワードが取り上げられていました。AmazonやAWSでのEQの広がりはEPICリーダーシッププログラムによる成果でしょう。
EPICリーダーシッププログラム
EPICリーダーシッププログラムについては、INO101のセッションでプログラムの責任者であるRichさんが紹介されています。 このプログラムはリーダーの感情的社会的知性のスキルを向上させる取り組みで、「Empaty (共感)」「Purpose (目的)」「Inspiration (触発)」「Connection (繋がり)」の4つの柱を基盤にしています。
イノベーションの成功にはIQや認知スキルに加えて、多くの感情的社会的知性のスキルが必要になることが分かっています。そこで、EPICプログラムには35万を超えるAmazonのリーダー達がプログラムに参加しています。 さらに、EPICプログラムは外部へ広がり今では約6万の顧客やパートナーもこのプログラムに参加しています。
全ての人におすすめします
EQ関連セッションはセットでリーダーシップと入っているため、いわゆるリーダー層向けに見えます。しかし、私は全ての人にお勧めのセションだと考えています。 特に、このブログを読んでくれているようなエンジニアの人たちにはおすすめしたいです。エンジニアの方たちは論理的な正しさを大切にされているかと思います。 そして、論理的に正しいはずなのに何故か上手く行かず、気づけば大きなストレスから体調を崩してしまう様なことがあるのではないかなと思います。その上手く行かない部分にEQ関連のセッションが役に立つと考えます。
INO101のセッションの中でDr. Antonio Damasioの「We're not thinking machines that feel, we are feeling machines that think. (私たちは、感情を持つ思考機械ではなく、思考する感情機械なのです。)」という台詞が引用されています。私はこの台詞が好きなのですが、私たちにはまず感情があり、その上で思考をしています。そのため、感情を排した論理だけで進めようとすると上手く行かなくなる場合があると思います。
それぞれのセッションから何が学べるのか?
全てのセッションで感情的社会的知性のスキルの重要性が学べるのですが、簡単にどういったトピックが学べるのかをご紹介します。
Emotionally intelligent leadership for an AI-powered future (INO101)
INO101ではイノベーションに焦点を当てられており、イノベーションの成功のために必要な人間的側面の重要性が語られています。
イノベーションに必要なスキルや昨今の急速な技術革新がもたらす、複雑性や混乱に対応しながらどのようなアプローチを取るべきかを考えるためのフレームワークの紹介がありました。 また、リーダーとしてイノベーションに対応していくために、ストレスへの反応を調整する方法と、マインドセットを適応させていく方法が紹介されています。
Emotionally intelligent security leadership to drive business impact (SEC218)
SEC218はセキュリティを推進していくために、EQがどのように影響を与えるのかが語られています。
共感の欠如がセキュリティの成果を損なうことが紹介され、問題を報告することに感謝を示し、信頼とオープンな文化を促進する方法の利点の紹介がありました。 また、異なる目的を持つ関係者と目標や価値観を結びつける重要性や、関係者にセキュリティを推進したいと思わせ実際に推進していく環境をつくるにはどのようにすれば良いのかが紹介されています。
EQ, Amazon leadership principles, and building self-confidence (IDE106)
IDE106は他のセッションと違い、より個人に注目しインポスター症候群を避けるための方法が語られています。
インポスター症候群を回避し、いかにして自信を築くのか、自己認識と自己管理についてのいくつかのテクニックが紹介されています。 例えば、成功する人たちには集中力がありますが、集中するために必要なことはなにかが紹介されています。面白いと思ったのが、成功の為には周りに助けを求めるということも必要だという点です。 周りに助けを求めるためには、自分自身やチームに高い感情的社会的知性が必要になると思います。
最後に
今回は、ざっくりとre:InventでEQについて語られているセッションの紹介でした。 このブログをきっかけにEQに興味を持ってくれると嬉しいです。 近いうちにそれぞれのセッションの細かい紹介もできたら良いなと考えています。